2006326日(その2):政府に裏切られる


セプリンスエドワード島シャーロットタウンにて

猟を記録すべきセントローレンス湾の浮氷の上からでなく、プリンスエドワード島でこの日記を書いている。


2006 HSUS 

私は今日、観察者たちが毛皮のためにアザラシの赤ちゃんを商業殺戮する様子を記録するのを妨げるという新しい水準まで沈んでしまった自分の政府、カナダ政府の行動を恥じている。
私は過去8年、毎年のカナダのアザラシ猟の間を氷の上で過ごしたが、観察者が氷の上の惨状を目撃することを阻止するために、このような目に余る権力の乱用を行うのを見たことがない。

昨日の午後遅く、私と他の6人(HSUS職員5人とメディアの代表1人)の法的に許可を持っている観察者たちが、アザラシ追跡中の漁船から10メートル以内に近寄り観察許可の条件を犯したとし、カナダ王立騎馬警官(RCMP)に逮捕された。

数時間前、2隻のアザラシ猟船が私たちの小さいゴムボートに向かって繰り返し突撃してきて、私たちのボートがその余波にもまれるという危険な状態に陥った。私たちの大きいほうの船は近くに停泊しており、私たちが面している脅威に気づいた船長が近くの沿岸警備隊に2回ほど無線を入れて助けを求めた。しかし返事が来なかった。

ありがたいことに、アザラシ猟師たちは自分たちの危険でふざけた行為に飽きてしまい、2隻の船は別々に浮氷へと動き出した。私たちはそのうち1隻を追い、殺戮を記録する決意でいた。

私たちの2隻の小さいゴムボートは安全な距離を保ってアザラシ猟船を追った。最低でも30メートルは離れていた。しかし突然アザラシ猟師たちは方向転換し、私たちの行く手を妨げた。片側には厚い氷、そして反対側には迫りくる漁船。衝突を避けるために、私たちには素早く漁船の前を素早く横切るしかなかった。

その瞬間、見えないよう隠れていたRCMPの警官と連邦海洋漁業省(DFO)の役人が、漁船の客室から出てきたのだ。彼らは私たちを呼びよせ、漁船から10メートル以内に近寄ったとして避難した。RCMP警官は直ぐに私たちの映像資料を没収し(私たちがどうやってそのとき漁船の直ぐ近くを横切ることになったかを示す映像も含まれる)、観察許可の条件に違反で私たちを逮捕すると告げた。カナダ人でない5人の観察者は沿岸警備隊の船に連れていかれ、手錠をかけられた。沿岸警備隊は彼らを5時間半拘留したのち、ついに私たちの船に解放した。

まだ告訴はされていないが、DFO代表者はこの事件の調査が終わるまで私たちに観察許可証を発行しないときっぱり伝えてきた。それが終わるころには、セントローレンス湾での猟が終わっているだろう。

HSUS及び我々のヘリコプターやボートに同乗するジャーナリストがこの猟の続きを記録することを、カナダ当局は計算された政治的な手立てで効率よく防止したのだ。でも彼らの努力は無駄になった。私たちはすでに何時間もの撮影を行っており、映像をウェブサイトに載せてしまっているからだ。

沿岸警備隊の船に捕らえられているアメリカ及びイギリスの観察者が戻るのを待っている間、私は船のデッキに立った。辺りはすっかり暗くなっており、漁船は既に何マイルも先に移動して夜を過ごすために碇を下ろしていた。黒い海を見ると、明るく照らされた大きな沿岸警備隊の船が半マイルほど先に停泊しているのが見えた。

静寂の中、カナダ政府はアザラシ産業を守るために、どんな深みにも嵌るつもりだということが少しづつ分かり始めた。

驚くべきではないことだろうが、なぜか私は驚いたのだ。毎年のアザラシ猟における沿岸警備隊の存在は、観察者の安全を確保する意味もあるのだと頭の隅で思っていた。でも沿岸警備隊が私たちの災難には対応しなかったのにアザラシ猟船から逃げたことで7人の平和的な観察者を逮捕し猟師たちを助けたとき、その考えは消えた。カナダ政府はこの猟を記録する者を敵とみなすのだと私にははっきり分かったのだ。

カナダの大多数がこのアザラシ猟に反対しているという事実に反し、RCMP、DFOそして沿岸警備隊といったこの猟に参加している政府当局は、たった一つの目的でそこに居るのだ。東海岸沖でおきる残酷な出来事を一般人が見るのを止めさせるために・・・

猟は続く。そして私は目撃できないことに非常に落胆している。しかし、アザラシ保護(ProtectSeals)キャンペーンの効果をカナダ政府が恐れていない限り、カナダ政府はここまでの水準に落ちないと知っているので、少しほっとする。我々がアザラシ猟が失敗したという悪しき知らせを広めるのを、政府は止めようとしているのだ。私たちは勝っているのだ。

その日早く、2匹の大人の銀色のアザラシが私たちのゴムボートのそばを泳ぎ、2匹揃って潜水したり水面から頭を出したりしていた。彼らは近寄ってきて、黒く輝く瞳で私たちを見つめた。一瞬、私は彼らがメッセージを伝えているかのように感じた。私たちの根気に感謝しているかのように。私は振り返り、この猟を永遠に終わらせるために何でもやると心の中で彼らに約束した。

私の政府(カナダ政府)は、猟の観察者、アザラシ、そして一般市民の期待を裏切ったのです。でも私には、あなたのサポートで、HSUSと同じような気持ちの団体や個人が、カナダのアザラシ殺戮を終わらせるという私たちの約束を果たすことができるようにしてくれるとはっきりわかっています。あとは時間だけが問題なのです。


レベッカ・アルドワース





翻訳前のページ
HSUS







Copyright 2006 SORA. All Rights Reserved.